AMeDAS観測点「沓形」
先月、北海道利尻島を訪問しました。気象が好きな私が立ち寄ったスポットである、 AMeDAS観測点の観光レポートです
地域気象観測所とは
通称「アメダス」(AMeDAS=Automated Meteorological Data Acquisition System)と呼ばれる日本全国に配備された自動化された気象観測網です。 最小限の構成の場合は、雨量のみを観測していますが、過半数の観測点では風向・風速、気温、湿度も観測しています
1974年から運用が始まり、現在では全国を20km前後の間隔で網羅しています。 この気象観測点の定点設置の密度は世界的にみると極めて過密ですが、それだけ国内の気象現象の水平規模スケールが小さく、変動が大きいことが窺えます。 また、50年近くという長期にわたる定量的観測から、30年平均をとった平年値といった気象現象の解析に寄与する指標が提供されています。
利尻島の気象観測所
北緯45度より北に位置する利尻島は、およそ20km四方に収まる円形状の島です。
この島には2か所、AMeDAS観測網に組み込まれている気象庁の気象観測所があります。
出典:気象庁ウェブサイト
一か所は今回記事にしている「沓形」の地域気象観測所です。 島の西側海岸エリアに所在しており、島の中央といえる利尻山山頂からほぼ真西に位置しています。
もう一か所は、島の北西部(本泊)に位置する利尻空港の航空気象観測所です。観測設備は滑走路沿いに設置されており、JIS安全色「黄赤」で規定される塗色が施されています。 この観測値は、AMeDAS観測網のみならず、航空向け気象実況METARにも使用されているようです。
沓形地域気象観測所
利尻島の西側、利尻町の沓形に所在する観測点で、宗谷総合振興局の建設管理部出張所の敷地内にあります。 北海道道108号沿いに設置されており、歩道から数メートルの距離に位置しています。


観測露場は低い柵で囲まれています。また、人工芝で整地されています。
雨量計は積雪に埋もれないように支柱の上、やや高い位置に据えられていますが、 温度計は見学当時は地表から1.5mの基準位置に設置されているように見受けられました。 支柱との保持機構を見るに、高さは可変式のようにも見えますので、 冬季は積雪表面からの高さ1.5mを保持するように調整できるものと思われます。
風速計は、見て分かりやすい風車型ではなく、超音波方式の観測機器が設置されているようです。
出典:あおぞら彩時記2021年第1号(青森地方気象台)
積雪計は、露場に固定の白黒の測器が据えられており、支柱にそれの映像監視装置が設置されていました。
つれづれ
電子基準点の記事を1本目にした、 利尻・礼文の旅行に関わる2本目の記事となりました。 引き続き、時間を空けてとなるかもしれないのですが、書いていければと思っています。

