会社を山梨へ連れて帰る。220行の本店移転
荷物の輸送では終わらないのが法人本店移転。220行に及ぶWBSとともに、士業さんを頼らず自力で回した一人法人の移転記録。
引っ越しをしました
私、北村由衣と、法人、合同会社北村由衣は、付で、 東京都清瀬市から山梨県中央市に転居・移転しました。 法人からの移転案内もご覧くださいまし。
やることが多い!
5月の連休に実家で話し合いをした結果、私が清瀬を離れて山梨の実家に戻る引っ越しが決まりました。
私の個人としての転居と、併せて一人法人の合同会社も移転することになりました。ざっとやること何があるかな?と考えてもきりがなく、とりあえずジャンルごとに書き出してみることに。住所変更および本店移転(以下「転居」)に伴う届出の類がとにかく多い。
220行のWBS
とはいえ実際に運用していたテキスト220行をそのままお見せしても只々混乱させてしまいますので、本稿の「読み物」向けとしてタスク間の依存関係を可視化したチャートをお見せします。
flowchart TD
A([引っ越し決定])
%%========================
%% 生活準備
%%========================
A --> B([物件])
B --> B1[退去通知]
B --> B2[インフラ解約]
%%========================
%% 個人
%%========================
A --> C([個人の転居])
C --> C1[転出届]
%%========================
%% 法人
%%========================
A --> D([法人本店移転])
D --> D1[社員総会決議]
D1 --> P
%%========================
%% 引っ越し
%%========================
C1 --> P[荷造り]
P --> E([引っ越し作業])
P --> ES([処分系])
ES --> ES1[売却持込み]
ES --> ES2[廃棄引取り]
ES --> ES3[譲渡輸送]
E --> E1[搬出]
E1 --> E2[退去立会]
E2 --> EM[移動]
EM --> E3[搬入]
E3 --> E4([作業環境復旧])
E4 --> E4_1[段ボール開梱]
E4 --> E4_2[電源と通信の構築]
E4_2 --> E4_3[PCの再稼働]
%%========================
%% 個人手続き
%%========================
E3 --> C2[転入届]
C2 --> C3[住民票]
C3 --> C3_1[転居挨拶状]
C3 --> C4[各種住所変更]
%%========================
%% 法人登記
%%========================
M --> D2[本店移転登記申請]
M --> D6[代表者住所変更登記]
EM --- M([本店移転日])
D1 --> D7[取引先連絡]
D7 --> D7_1[契約内容更新]
D7_1 --> D8[信金融資繰上完済]
C2 -.-> D6
D2 --> D3[登記完了]
D6 --> D3
D3 --> D4[履歴事項全部証明書]
D3 --> D5[法人電子証明書]
%%========================
%% 書面届出
%%========================
D4 --> F1[年金事務所]
D4 --> F2[銀行]
D4 --> F3[その他届出]
%%========================
%% 電子届出
%%========================
D5 --> G
E4_3 --> G([電子申請環境])
G --> G1[e-Tax]
G --> G2[eLTAX]
G --> G3[Gビズ]
G1 --> T1[税務署届出]
G2 --> T2[都道府県税]
G2 --> T3[市町村税]
G3 --> T4[電気通信事業者]
%%========================
%% 平常化
%%========================
F1 --> Z([平常運用])
F2 --> Z
F3 --> Z
T1 --> Z
T2 --> Z
T3 --> Z
T4 --> Z
%%========================
%% Color
%%========================
classDef critical fill:#ffb74d,stroke:#bf6d00,color:#000;
classDef work fill:#90caf9,stroke:#1565c0,color:#000;
classDef normal fill:#c8e6c9,stroke:#2e7d32,color:#000;
class A,D,D1,D2,D3,D4,D5,EM critical;
class B,B1,B2,C,C1,C2,C3,C4,M,P,D6,D7,D8,E,ES,ES1,ES2,E1,E2,E3,E4,E4_2,G,G1,G2,G3 work;
class C3_1,D7_1,ES3,E4_1,E4_3,F1,F2,F3,T1,T2,T3,T4,Z normal;
- [ ] 信金へ事前相談(最優先)
- [ ] 移転予定 一報
- [ ] 手続きに行く
- [ ] 残高繰り上げ返済(5/25引落し)
- [ ] 口座解約
- 郵送先変更予定
- 法人携帯番号を連絡先として維持する方針検討
- [ ] 山梨側で本店所在地利用の親族了承確認
- 郵便受領
- 法人登記
- 信金・税務署郵送物受領
- [ ] 個人転居日・事務所退去日を決定
- [ ] 賃貸解約予告期限確認
- [ ] 退去通知発出
- [ ] NURO解約
- [ ] 取引先連絡
- [ ] 現行契約の一覧化
- 各方面継続/解約の条件整理
- 連絡
- [ ] N
- [ ] M
- [ ] 贈答品 山梨のもの
- [ ] P
- [ ] 訪問
- [ ] 個人各位
- [ ] 広告掲出先
- [ ] 支払
- [ ] インフラ
- [ ] NURO解約
- [ ] TA返却
- [ ] 東京都水道局(1カ月前から受付)
- TOKYOGAS(電気・ガス)
- [ ] 解約連絡
- [ ] ガス立会
- [ ] 家賃保証 Casa連絡
- [ ] 個人清瀬サービス 打ち切り連絡
- [ ] M
- [ ] H
- [ ] 家財・資産整理
- 法人資産
- 消耗品
- [ ] 固定資産PC2台(そのまま山梨へ 改造予定
- 個人所有物
- [ ] 書類
- [ ] 「持っていく / 売却 / 廃棄 / 保留」分類
- 廃棄費用見積
- [ ] かたづっく 初報
- [ ] かたづっく 見積に来る
- [ ] かたづっく 搬出・支払
- [ ] 自転車
- [ ] ヘルメット購入 本体新調
- [ ] 防犯登録 東京抹消登録
- [ ] 防犯登録 山梨新規登録
- [ ] 法人固定資産PCの整理
- [ ] ソフトライセンス
- [ ] 売却対象の選別
- [ ] セカストに持ち込み
- [ ] 東京地裁事件の送達場所変更上申
- 国費請求予定事件
- 書記官へ「転居予定」事前相談
- 判決正本・債務名義の送達先維持確認
- [ ] FAX廃止に留意
- [ ] 立川地裁(財産開示・執行系)送達場所変更
- [ ] 送達場所届
- [ ] FAX廃止に留意
- [ ] 法人の固定電話廃止方針決定
- [ ] NURO固定電話解約
- FAX廃止
- 法人楽天モバイル維持
- 金融機関連絡先
- 法務局・裁判所連絡先
- [ ] ドメイン・メール維持確認
- [ ] ウェブサイト更新
- [ ] 電話番号更新
- [ ] 住所更新
- [ ] 廃止口座・退会を反映
- [ ] forU/ の清瀬を消し
- [ ] 本店移転決定書作成
- 東京都 → 山梨県
- [ ] 合同会社本店移転登記
- 登録免許税6万円
- [ ] 代表社員住所変更登記
- 登録免許税1万円
- [ ] 登記謄本取得 4通
- [ ] 税務署へ異動届
- 本店移転
- [ ] 都道府県税事務所へ異動届
- 東京
- 山梨
- [ ] 市へ法人住民税異動届
- 東京側廃止
- 山梨側新設
- [ ] 市町村へ個人住民税特徴異動届
- 清瀬市 廃止
- 中央市 設置
- [ ] 年金事務所手続
- [ ] 労災特別加入
- [ ] 個人住民票転出届
- 東京 → 山梨
- [ ] SAS(睡眠時無呼吸)通院引継ぎ
- [ ] 転医を要する旨連絡
- [ ] CPAPレンタル会社連絡
- [ ] 紹介状
- [ ] 転医先初診
- [ ] サカイ
- [ ] 事前振込
- [ ] 6/4搬出
- [ ] 6/5搬入
- [ ] 法人会へ異動届
- [ ] 商工会へ退会届
- [ ] DEN
- [ ] 初報
- [ ]掲載取り下げ
- [ ] 法人税務申告体制確保
- e-Tax
- eLTAX
- 納税地変更反映確認
- [ ] 電子証明書取得
- [ ] 特別徴収事業所異動通知
- 清瀬 様式3
- 山梨
- [ ] 郵便転送届 5/30から転送開始
- 個人
- 法人
- [ ] 旧事務所完全撤収
- 鍵返却
- [ ] 立会
- 原状回復確認
- [ ] 風呂蓋
- [ ] 転入届 マイナカード持参
- [ ] 転入先 印鑑登録証明
- [ ] 運転免許住所変更
- [ ] 表札
- [ ] 転居挨拶状
- [ ] 住所変更・TEL確認変更
- GビズID
- 電子証明書 法人
- 法人信金口座 ※解約
- 法人りそな口座
- 法人クレカ JCB
- 個人信金口座 ※解約
- 個人りそな口座
- 個人ゆうちょ口座
- 個人山梨中銀口座
- 個人クレカ
- 弥生会計 ※設定箇所なし
- Square
- Sq 特定商取引法
- Stripe
- PayPay
- 公式LINE
- 法人楽天モバイル ※謄本添えて郵送
- 個人Softbank
- さくらインターネット
- インターリンク
- ゴンベエ WHOIS情報
- JPRS SSL
- 個人Google
- 法人Google
- 店舗情報
- 広告設定
- DELL
- GitHub 法人org
- Microsoft
- Cloudflare 請求先
- 個人 保険
- モノタロウ
- アスクル
- Amazonビジネス住所
- 個人Amazon配達住所
- ヤマト運輸ビジネスメンバ
- ヨドバシ.com
- タイムズカーシェア
- しょくばらぼ
- [ ] PC魔改造?
- 現マシンの構成洗い出し
- 部品整合確認
- [ ] GPU決定
- [ ] 工作
- [ ] MSセキュリティ監視対象端末
- [ ] バックアップ体制
今回の転居では、Discordにスレッドを立てて、上記WBSを運用しました。
メッセージの編集機能で[ ]を[✔]に変えていく運用です。
また、WBSとは別に、日付 タスクを時系列に列挙したものも用意し、
そちらも✔編集と同時に「消し」て、未処理タスクだけが見えるようにしました。
Discordを利用したのは、マルチデバイス・PC非依存・アプリへの慣れ、があります。
また、タスクの列挙も最初からこのボリュームだったわけではありません。ほぼ最初から200行に達しそうではありましたが…。「待ちが発生した時点で、完了部分と未達部分を分解」して少し増えました。抜けもれについては、思い出した時点でスレッドに新規メッセージで書き込みました。そして、PC環境から見返す時に既存WBSの一部に取り込みました。
結局DiscordのチャットUIに依存するので、WBSを眺めるにはスクロールからは逃れられません。それでも、[ ]という空白だけ見ていけば済むので一覧するのに困ることはありませんでした。
粒度をここまで細かくしたのは
「法務局で手続きする」くらいのTODOリストでもいいのかもしれません。ただ、実態として「登記申請書を作る」「収入印紙を調達する」「足を運んで手続きをする」は別タスクとして認識しておくと、「タスク状態:進行中」というステータスが発生しません。今回、転居に伴ってやることが多すぎて、私はタスク粒度を「完了か、まだか」のどちらかの状態で表現できる粒度まで分解しました。結果として[ ]か[✔]の二択で表現できるTODOリストになりました。
また、WBSの中に[ ]を持たない行を作りました。
- メモ書きです。意外と便利な備考欄でした。
留意事項や持ち物といった、アクションに必要な情報を一緒に見れる状態を作れました。
- [ ] SAS(睡眠時無呼吸)通院引継ぎ - [✔] 転医を要する旨連絡 - [✔] CPAPレンタル会社連絡 - [ ] 紹介状をもらう - [ ] 転医先初診
この粒度なら、何をやってあって、何がまだか、を思い出す必要がありません。次にやらなければいけないことも見えます。「あれ忘れてた」をなくすためのタスク分解です。
枝葉は並列で進める
220行のWBSは上から順に消化するものではありません。
フローチャートで図示した通り、「タスク間の依存関係」があります。個人の引っ越しだと、転入届を出して免許証なり住民票なりが手元にないと他での住所変更手続が滞る、の複雑なバージョンです。転居の直後の私の動きでは、朝サカイ引越センターのトラックが来て搬入が終わったら、午前中のうちに転入届を出して住民票を取得していました。様々な個人の手続きが一気に「進行可能」になりました。
一方で、法人履歴事項全部証明書があれば進められるタスクも一気に広がる、といった状況でもありました。移転登記は、清瀬を所管する東京法務局田無出張所で閉鎖登記と、申請書の移送が成されて甲府地方法務局で引き継がれた登記の二段階。さらに、今回は役員たる代表社員個人の住所変更も併せて登記でしたので、登記の手続が回るのを待つ日数は少し長めでした。しかしながら、履歴事項全部証明書の交付を受けることであらゆる本店所在地変更手続きが進められるようになりました。
転居から1週間でほとんどの手続きは終わっていました。「今できること」がWBSで把握でき、かつ「平日だから動いておこう」「私用は週末でもいい」の優先付けで、役所に行くのも1回にまとめようとせず「準備ができているものだけでも片付ける」の方針で動いていました。
郵送申請を要するものは、私の手元で温めることなく、最寄りのポストまですぐに出しに行きました。 特に、金曜日発送は「土日に輸送されて月曜朝に相手方役所に届く」ので営業日をロスする感覚がなく精神衛生上よかったです。
物理的な引っ越し
ここまではプロジェクト管理の話でしたが、実際には荷物も人も会社も山梨へ移動しています。WBSの中でも「引っ越し作業」はほんの数ノードですが、その裏には1週間に詰め込んだ準備期間がありました。
- 転居決定
- サカイ引越センター・かたづっく 見積り
- 売却品セカスト持込み
- 譲渡品引渡し
- ハンドキャリー品輸送
- 搬出
- 搬入
手放すもの、連れて帰るもの
引っ越しが決まって最初に始めたのは荷造りではありませんでした。「何を山梨へ連れて帰り、何を手放すか」を決めることです。
一人暮らし8年と、会社運営4年で積み上げた家財のリストアップです。
家財を仕分ける
会社部屋・寝室・リビング・水回り。リストアップした所有家財は80個に上りました。家財ひとつひとつについて、「山梨送り」「売却」「譲渡」「廃棄」など処理方法を決めました。しかしながらそのすべてを記憶することはできませんので、記録を作りました。ここで引越し費用と処分費用が決まっていくことになります。
候補○ 決定● 変更▲ 処分済✔で管理しました。
また、対象物には養生テープで「山梨」「売却」「古物」のラベルを貼っていきました。
この対象物の処理方針決定を1周回したのは転居決定の直後2-3日の内でした。そして対象家財の量が見えたところで、廃棄物回収と引越の見積りを取りました。
| 品名 | 処分方法 | 山梨送付 | ハンドキャリー | 粗大ごみ | 売却 | かたづっく | 燃えるゴミ | 燃えないゴミ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 冷蔵庫 | ●かたづっく | ● |
AIと共に
この表、処分方法列は関数で自動更新にしました。関数、最初はCONCAT NOT ISBLANKの合わせ技でごりごり書いてたのですが、
TEXTJOINで一発、という超圧縮をChatGPTの力を受けました。
=TEXTJOIN("",TRUE,IF(F4:N4<>"",F4:N4&F$3:N$3,""))に圧縮された瞬間売る、譲る、捨てる
家財それぞれの処分方法が決まったら、あとは実行です。
売却品は、ほとんどを所沢のセカンドストリートに持ち込んで査定してもらいました。 クルマを出してくれた友人と待ち時間に回転寿司を食べましたが、それがペイできるくらいの現金になりましたね。 趣味でコレクションしていたグッズ類は一部、専門の買取店に送って査定してもらいました。
廃棄処分は清瀬の知人が経営している家財廃棄処分対応の業者さんに依頼しました。 会社のホワイトボードや来客応対デスクといった大型家具から、私室のベッドやPCデスク、洗濯機や冷蔵庫といった家電まで。 2tトラックの半分くらいの量を回収してもらいました。
深夜、北関東便
譲渡の相手先は北関東、栃木県の方々。相手方の片方が平日クルマで都内まで来る予定があったので、慌ただしく積み込んで行く、というのが当初計画でした。
その計画をぶっ壊したのが夜19時半の私の思い付き。今からカーシェア借りて自力でそれぞれにお届けしてついでに挨拶していけばいいのでは?と思いついてしまいました。そして、実行に移しました。ちなみに相手方の片方がその日都内にいたようなので、ピックアップして一緒にドライブしました。
21時半、秋津駅北口発。往路、所沢IC-関越道-圏央道-東北道-鹿沼IC。復路、栃木IC-圏央道-所沢IC。往路はピックアップした友人と色々おしゃべりしながら。
MAZDA3でしたが、いいですね。高速を流すときはAT任せにしましたが、マニュアルシフトができて楽しい。車内静粛性がよくてエンジン回転数の体感フィードバックが薄いのがMT扱いするにはちょっと寂しい。ブレーキペダルもふわっと速度を緩める操作からしっかり停車する踏み込みまでレンジが広い。ただねぇ、車内空間狭いですね。あと、ナビ操作。まぁナビ誘導は使わないんですけども、動く拡縮自在な地図くんの移動操作とかが難しい。慣れればあの物理スイッチ操作もできるようになるんだろうか?
別に初めてハンドルを握った車を、初見の土地までナビのセットなしで、ゆるくおしゃべりしながらクルマを流していくの、こわくない…よね…?現地民より初見の私が道路選択に詳しいのはさすがに異常か…?
宇都宮市郊外のコンビニで2箱引渡し、だけで終わらず1時間ばかりだべってた深夜1時、楽しかったです。
運ぶ荷物だけが残る
「売る」「譲る」「捨てる」が終わると、残る家財は「運ぶもの」だけになります。
サカイ引越センターから見積翌日に受け取った段ボール30箱。きれいに使い切りました。重い紙類は小さな箱へ。かさばる衣類は大きな箱へ。元の箱があるものは元の箱へ。
部屋に段ボールが山積みになっていくにつれ、生活する部屋が「退去する姿」に変わっていきました。
今回、パソコンやサーバ機、それとプリンターやモニターはそれぞれ「購入時の化粧箱と緩衝材」に納めました。養生とか何も考えず輸送に耐える箱に詰め込むだけの簡単で安心な荷造りでした。普段、箱をキープしておくのはデッドスペースになってしまいがちですが、こういう時に出番があるんですね。私物自作機のケース化粧箱に至っては3回目の転居梱包でした。
梱包を終えると、残ったのは引越し当日朝まで使うノートパソコンや充電器、CPAPや薬だけになりました。
箱にしないもの
サカイ引越センターに預ける荷物とは別に、自分で運ぶ荷物もありました。定款や実印といった「預けられない貴重品」をスーツケースに入れておきました。また、ノートパソコンや常備薬をリュックサックに詰め込みました。移動をするので、財布やスマホ、充電器やイヤホンはハンドバッグの中に。
睡眠時無呼吸症候群の患者なので、CPAPは毎晩必要です。手持ち・肩掛け・スーツケース引っ掛けの3WAYバッグが標準なのですが、今回の移動ではスーツケースに引っ掛けることで手持ち感を低減しました。
鉄道模型のモジュール
以前のブログ記事「清瀬駅100周年トレイン展示モジュール制作記 」に記録した、 Nゲージのモジュール(長さ77cm, 幅9cm)は、サカイの見積り時点で確認を取ったところ、 「一点物で責任を負いかねる」とのことでしたので、親のクルマによる自家搬送としました。
サカイによる引越しの前週末に来てもらい、積み込んで輸送をお任せしました。
なお、記事執筆日(引越しからちょうど1カ月経過)現在、養生されたまま置き場所未定で梱包されたままになっています。置き場所候補があがってはサイズの問題とかで消えていく…。
人はあずさ、荷物はトラック
夕方の搬出でした。朝起きて、午前中は「抜け漏れないよね?」のチェックと掃除。午後は「搬出準備が整い、空っぽになれる部屋」で連絡を待ち、15時から搬出。
差し入れドリンクの選び方
当日は実家から母が「手伝い」に来ていました。昼食の調達に行くとのことで、「サカイさんの差し入れドリンク3人分お願い」しました。買ってきたのは「緑茶2本」。どうしてこうなった。
結局、来てくれた作業員さんが計4名でしたので、麦茶を4本調達しました。
搬出作業中に、来訪者が2名。清瀬を離れます、の連絡を入れておいた市内のお客様などでした。対面でご挨拶できてよかった、と思っています。
空っぽになった部屋で暫しぼーっとして過ごしました。「ここが拠点じゃなくなったんだなぁ」という哀愁。
サカイのトラックが出発したのを見送ったら、今度は自身の移動です。移動日の1週間前に東京駅みどりの窓口で購入しておいた切符でJR乗り継ぎの片道旅行。新秋津-(武蔵野)-西国分寺-(中央快速)-立川-(特急あずさ:座席未指定券)-甲府-(身延線)-東花輪。甲府の乗り換え時間はややタイトでしたが、無事新居(実家)に到着。
人と会社、そして荷物。それぞれが山梨に移動を始めました。
声にしない声がけ
身延線での移動は、18時台。学生の帰宅ピーク時間帯でした。ピークというか、需要に対して本数が足りなくて混む時間。
目の前の学生さんの靴ひもが解けているのが気になって…。どちらもイヤホンをしている私と相手。混雑した車内。私が選んだのは「スマホのメモ帳」でした。
大きいフォントで「くつひも、ほどけてます」。これだけ打ち込んで、相手の視界にスッと差し入れる。相手側は自身の足元を見て私に軽くお辞儀をして、靴紐を結びなおす。
「声」を出さずに完結した一幕でした。
開梱にも優先順位がある
朝9時半。サカイの担当ドライバーさんの拠点である松本で一晩を過ごしたトラックと詰め込まれた荷物たちが到着しました。ちなみにこの日の差し入れドリンクはスポーツドリンクを2名に4本です。朝から気温の高い中ありがとうございました。安全な搬入のために、ドアを外す、ということを選択され、ちょっとびっくりしたんですが、持ち上げるだけで簡単に外せるんですね…。
家具を2階の部屋に運びあげてもらい、段ボールもせっせか運び込んでもらいまして、実家が段ボールであふれかえりました。
実家への戻りなので生活必需品の開梱といったことよりも、まず搬入終わった直後に、中央市役所に出向いて、転入手続きを済ませてきました。
最初に空いた段ボールの中身は、本棚に収まるものたちでした。本棚、デスクの引き出し、趣味のもののディスプレイ、と進んでいきました。衣類は洗濯をしてからの収納でした。
パソコンの優先度は高くなかった
パソコン関係の開梱は転居から3日目のことでした。2日目の時点で、UPSを再設置し、既設通信機器を電源系統配下に収めるところまでは完了しました。モニターアームに会社から2枚+私物2枚の計4枚を据え付け、続けてパソコンの梱包を解き、M.2ドライブとRAMを私物から社用マシンに移植し、栃木の人から譲り受けたRTXグラフィックボードを追加搭載するなどの工作をしました。
私、GTX1080を8年間使っていて換装することもなかったので、GPUの進化というものに置き去りにされてまして。今回RTX3060を譲り受けたことで世界の進化を知ることになりました。「レイ・トレーシング」のRらしいですが、「ナイターのレース?」くらいの感覚で単語をぼんやり聞いていました…。
パソコン環境が整うことで、システム開発業の平常運用に一気に近づきました。
教訓:固定IPを解除して転居しよう
192.168.1.xでアクセスしていたマシンはNICでIP固定をしていました。
ところが、実家のルータが供給するNWアドレスは192.168.3.x。
固定IPを振っていたマシンたちは物理結線してもネットワークに入れず。一方で、マシン同士は通信が通るという状況に。
電源切って梱包する前にDHCPに切り替えておくべきでしたね…。
一方で、1NICが複数IPを持てることも学習でした。
結局段ボールの大半が空くまで3日くらい。完全に引越し用段ボールがなくなったのは2週間後でした。
法人を引っ越す
荷物はトラックで運べますし、人間は交通手段がありますが、法人は物理的な輸送ができません。本店所在地の移転は、法務局での登記を経て初めて移ります。また、今回代表社員である私自身の住所変更も登記事項の変更として登記申請をしました。
社員総会
定款記載事項の変更ですので、社員総員の同意が当社では必要です。なので、議案・決議書を用意しまして、5月中旬に決議をしました。一人法人なので、書類に目を通して捺印するだけ、ではありますが…。
登記申請書を作る
A4用紙1枚に収まるように登記申請書を2通作りました。1通は東京法務局田無出張所の閉鎖申請。もう1通は田無経由甲府宛の移動申請です。登録免許税は3万円+3万円の締めて6万円です。収入印紙、相変わらず切手サイズのくせに額面だけでっかい。
そして、甲府での法人移転登記が完了した頃を見計らって提出する用の、代表者個人住所変更登記申請書も作りました。こちらの登録免許税は1万円。
添付書類として、「原本と相違ありません 印」を済ませた社員総会決議書も添付しましたが、そういえば法務局の窓口にはこれハンコで置いてあるんだった。朱で「原本還付」って捺してましたね。
法務局
まず、異動の日より後でないと登記はできません。自社については、付けを本店移転日と定め、に登記をしました。
田無の窓口で申請書を出したとき、田無での処理と、甲府への移送と処理、それが返ってきて閉鎖、の3ステップになるので、掲示している商業登記の完了予定日より長く見積もってください、と言われました。
私が完了状況を探るのに使ったのは、国税庁所管の法人番号検索サイトです。 国税庁所管とはいえ登記と連動しているようで、登記完了の翌日昼には反映されるそうです。
自社については田無での閉鎖もあるので更新確認したから週明けまで一応待ちまして、 法務局総合申請ソフトから田無の閉鎖事項証明と甲府の履歴事項全部証明を取り寄せる形で確認を取りました。
法人の移転登記が終わってから、代表社員の住所変更登記をしました。こちらは、申請書が到達した翌日には登記完了していたみたいです。補正もなく内容も軽微で甲府法務局の閑散期だったのかな、という印象。
実体が山梨に移動をしても、登記が終わるまで法人は東京に居残るのです。登記による証明を要しない住所変更の届出を淡々と処理して、法務局の処理を待ちました。
会社を山梨に連れてきた
閉鎖事項証明書と履歴事項全部証明書が手元に来た時、法人移転の完了を実感しました。
法務局の管轄を跨いだ移転をすると、閉鎖簿を取らない限り「履歴事項全部証明」でも前の管轄での履歴事項は見えないことも分かりました。
役所は待ってくれない
登記の進行と関係なく、届出期限はやってきます。
本店移転に伴う届出は、転出と転入のペアで対応します。清瀬市に廃止を届け出て、中央市に設置を届け出る。このペアのどちらかが欠けてもいけません。
また、届出期限が「遅滞なく」だったり、年金事務所は具体的に「5日以内」だったり、移転日6月1日起算で慌ただしかったフェーズです。
武蔵野年金事務所
本店移転については旧管轄の事務所に届出をします。ここでパラドックスなのですが、履歴事項全部証明書の添付が必要ですが、5日以内の届出が必要です(年金機構QA)。 越県移転の登記の完了は2週間近くかかります。どうすれと。
結局、私は「添付書類を欠いた状態で速やかに届出をする」「書類不備として返戻されたら、 再提出をする」の二段構えで、要件を充足させました。これでよかったのか…? 清瀬を所管する武蔵野年金事務所から電話があり、「添付書類が必要で~」「でも2週間くらいかかりますが、5日以内に届出ですよねぇ」のやり取りをしました。 制度と実務が整合していないように思われますが、どうなんでしょうね…。
諸々郵送で
e-Tax, eLTAX という便利な手段があるのですが、法人電子証明書27カ月版をに失効していたため、 基本的に紙書類を郵送することになってしまいました。 清瀬市・東村山税務署・武蔵野年金事務所・立川都税事務所辺りが宛先になります。
税関系の転入先管轄への届出は期限が緩め(2カ月程度)なので、後述の電子証明書を待って電子申請としました。
電子証明書
法務局の総合申請ソフト、eGov(ビスID)、e-Tax、eLTAX のいずれも、申請・申告には電子証明書による署名が必要です。紙での提出なら法人実印(代表社員之印)はいまだに必要な書式も多いですね。法人の代表者であることの電子証明書を法務局が発行してくれます。(法務省)
最長27カ月なのですが、証明事項の変更があると失効します。今回の転居に伴う電子申請に必要な電子証明書は甲府地方法務局で発行してもらいました。とはいえ、事前の証明書SHINSEIファイル生成とかが手続のメインな気はしますが…。ファイルを焼いたCDを法務局に持っていき、シリアル番号を受け取る手順。お役所仕草。
しかし、この法務局に1回行くだけで、電子申請ができる環境が整うことは大きな節目でした。登記上の移転に続き、業務の平常運用を始めるという意味で大事なステップです。ちょうどは納期特例源泉徴収税の申告納付期日ですし。
士業へ依頼しなかった理由
今回、司法書士・社労士・税理士への依頼をしていません。法人設立の時からですが、司法の弁護士含め、士業さんは知り合いにいるけど、自社タスクは自力で回しています。転居に必要な手続きに、法務局をはじめとする官公庁とやり取りすることに抵抗感がなく、簿記2級知識と一人法人として全体を掌握していたい気持ちがあったからです。
このやり方は、一人法人を立ち上げから自力で登記をする気概のある人には事例として共有できますが、某サービスや、ワンストップ依存で体裁なんとか誂えたようなタイプには絶対にお勧めはできません。士業さんに頼んでください。ただ、私のWBSをベースに「この範囲を」と切り出して依頼するとスムーズかもしれません。
220行の終わり
プロジェクトの工程管理には「クリティカルパス」というものがあります。ぜひITパスポートを勉強して知ってください。 冒頭示したフローチャートで橙色に塗った項目が概ねパス上のタスクで、「これを動かさないと先に進めない」タスクです。 それらは、他タスクよりも、優先度高く処理をして手元で温める時間を持ちませんでした。 その結果として、引越しから1カ月が経過した本稿投稿時点で、WBSはほぼすべて✔がついています。
費用の精算待ちだったり、いくつか[ ]で保留されています。それらは日常業務の1タスクとして認識を改めています。
それゆえ私は、転居プロジェクトは完遂したと考えています。
会社を山梨へ連れて帰る
荷物は運べます。しかし、 法人は自然人と対比して、その実体の移動に留まらず、法律上の移動(法務局での登記)が必要ですし、新拠点で平常運用できる体制まで復帰しなければなりません。
総じて、本店移転は、ただの引越しではなく「転居プロジェクト」の様相でした。
つれづれ
体調管理
実は引越し決定から3週目、39℃の熱を出しました。明らかに多忙で免疫が落ちていたのでしょう…。病院で除外鑑別をした結果「細菌感染によるもの」とのこと。しかしながら、服薬で翌日にはけろっとしていました。まだ体力がなんだかんだ残ってるってことでしょうかね…?
ベッドを搬出した後の寝床確保は少し悩みました。結局、毛布と枕、それとヨガマットで乗り切っていました。
送別
清瀬を離れましたが、清瀬コミュニティから離れてはおりません。法人会では8月にセミナーを予定していますし、 個人で会員になっている団体とも継続して参加をしています。
送り出していただいた方々とも、「ちょっと離れちゃう前にランチしましょ」くらいの温度感でした。山梨から日帰りできますからね~◎
裁判所
確定判決の正本を2通持っています。
ひとつは行政訴訟。 これは訴訟「費用を6分し、その1を被告が負担」することになっているので、確定手続きを東京地裁の書記官とやらなければいけません。 判決当時と住所地が変わってしまっているので上申書と訴訟費用の書面とを出さなければいけないかな、と。
もうひとつは、交通事故に伴う賠償事件。 立川簡易裁判所での4回に及ぶ期日をすべて出頭せず私の主張が概ね認容された損害賠償請求が確定しています。 相手方が任意に支払いを履行しないため、東京地裁立川支部に事件が係属しまして、財産開示が進行しています。 こちらは送達先変更上申書を提出しまして、郵便でのやり取りが順調に進んでいます。 まぁ、裁判所とのやり取りがスムーズなだけで、私のことを撥ねた相手方は裁判所からの郵便物を受け取り拒絶とかしてて、 全然スムーズには進んでないんですけども。
最後に置くのはこちら。OSM-CS#183668842。
転居祝い、新居住所はaddr:*から組み立ててくださいまし。お待ちしてます。
了
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