板海苔文書、控訴審で覆らず
午後、東京高裁で判決言い渡しがあった。 原告の控訴請求を棄却し、文書不開示を追認する判決内容だった。 なお、判決理由として1ページ、540文字に及ぶ原審書証の補充評価をしていることと特筆する。
判決
判決言渡 令和7年(行コ)第247号 保有個人情報一部不開示決定取消等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所令和6年(行ウ)第281号)
主文
- 本件控訴を棄却する。
- 控訴費用は控訴人の負担とする。
控訴の提起
原審原告である私,北村が、原審判決の1週後に控訴状にて、「原判決の全部を取り消す」請求の控訴を提起した。
控訴理由として、原告が提示した定量的資料に基づく主張と、その後の訴訟経過を鑑みず、原判決は結論先行の主観的評価に依拠しており、証拠評価の手続き的妥当性を著しく欠
くことを指摘し、
併せて、不開示部分が「確定的な情報」であるか否かの再考を促した。
また、原判決において「情報からそのような立法措置が明らかになるものとは認め難」い、とされた
点を過誤として指摘した。
判決理由
控訴理由に対して、追加評価あるいは棄却的に認定判断を左右するに足りるものではない
とし、原判決は相当
とした。
定量的評価
書証評価として、原審被告(国)が控訴準備書面で出した社会において通称名を使用している者が相当数存在すること(弁論の全趣旨)
が引用されて補充評価された。
情報の成熟性
原審途中での原処分打ち直しを経た部分を含め、「未だ不開示の部分」と「開示された部分」とをそれぞれ1文、250文字ずつ程度で評価している。
不開示のままとなっている部分については、検討内容に係る情報
であり確定的なものとはいえない
と認定し、不開示を追認した。
また、既に開示されている部分と対比して、検討過程における検討内容に係る情報が記載されたものであるとはいえない
とし、不開示部分とは性質が異なるものと認定し、
不開示の正当性を補充評価した。
その余の主張
実質的に原審における主張を繰り返
したと一断し、認定判断を左右するに足りるものとは認められない
と評価した。
控訴審判決を受けて
他、細部で原判決の誤記訂正2箇所(参照する書証番号誤り・法令施行年の記載誤り)が記載されている。 総じて、控訴状で示した原審の過誤の可能性を、東京高裁が真摯に再評価したものと考えている。
不開示部分自体は訴訟を経ても開示になることはなかったが、司法事務における性同一性障害当事者の通称名の取扱いの経験(「通称名こと戸籍名」表記や、開廷表での記載)が積み上がったことは成果と考えている。
つれづれ
13時半開廷の判決言渡は1件のみ。傍聴席は訟務官から遣わされた者が居ただけでした。廊下を挟んで反対側では数時間に及ぶ本人尋問とかもあったようですが。
上告の予定はありません。このまま、判決日(=送達日)からの日数経過による判決の確定(14日後)を待つつもりです。
本件に係る連絡先
- メール:
mail[at]yui-kitamura.eng.pro - TEL/FAX:
042-445-6000
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